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執筆者の写真ノグチユウイチロウ

ダイニングが暗いのは照明選びを間違っている

更新日:7月2日

先日、SNSでダイニングの照明についてコラムを書いてほしいというメッセージをいただきました。明る過ぎないライフスタイルを過ごされてるそうですが、「食事中にご飯が暗い」と家族から言われるそうです。


どのような照明で過ごされているか分かりませんが、テーブルの上が暗いのだとしたら、そこに十分な照度が確保されていないのかも知れません。


明るさを数値化するとlx(ルクス)で表しますが、一般的に手元の照度は500lx前後が必要とされています。この辺りは好みによっても変わりますので、実際には200〜800lxくらいの幅があります。


つまりダイニングテーブル上で500lx程度の明るさがあれば良いのですが、どれくらいの明るさかというと白熱電球100Wの直下60cmの照射面が約500lxになります。


同じ100Wの電球でも、裸電球の場合は360度にわたって光が拡散するのに対して、傘がかかった照明器具は下の方に光が集中します。それによって手元の照度は変わりますし、前述にあるように照明と照射面までの距離によっても照度は変わるのです。


光をすべて真下に放射する照明(直接照明形)と全体に拡散する(全般拡散照明形)では、真下の照度は全然違います。光の量はlm(ルーメン)で表しますが、100W白熱電球は約1500lmです。


その光の量が10㎡にすべて放射した場合の照度は約150lmですが、全体に拡散した場合は約55lmと1/3程度になります。


また、照度は光源からの距離の2乗に反比例するという法則があります。距離が2倍になれば照度は1/4になるので、テーブルが60cm上で500lxの照明を120cmまで上げると125lxになるというものです。


主に直化に光を放射するルイスポールセン社のPH 5は、100Wの白熱電球が使用されており、テーブルから60cm上に設置した場合に約500lxになります。PH5を90cmまで上げると約300lxになり、60Wの電球に替えて60cmにした場合とほぼ同じ明るさです。


つまり、食卓が暗いと感じるという場合は、照明器具の形、電球の明るさ、照明の取付高さのいずれか、または全部が合っていないということがいえるのではないでしょうか。


一般的には照明器具の明るさが何Wかということを目安に照明を選ぶことが多いかと思いますが、実際には照明器具の形や取付高さも同じくらい大切なので、単に気に入ったデザインと電球の明るさだけで選ぶと思ったよりも暗くて、生活にストレスを感じることになるのだと思います。


好みにもよりますが、ダイニングテーブルの上はしっかりと傘がかかった照明器具を選んで、好みの明るさになるように高さを調整して使うのが良いかと思います。


傘がない全般拡散照明は、見た目の明るさの割には手元が明るくないので、手元を500lxが取れるようにした場合は、目の前には相当に眩しい照明が下がっていることになるので、やはり快適とは言えないように思います。


全般拡散照明は手元の明かりとしてではなく、見た目の明かりとして、部屋のコーナーや壁を優しく照らすように使うのがオススメです。



LIVING WITH LIGHTS | 心地よい暮らしの照明術


IN THE LIGHT Lighting Design & Interiors

861-8001 熊本県熊本市北区武蔵ヶ丘1丁目15-16


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