top of page
執筆者の写真ノグチユウイチロウ

インテリアのトレンド

更新日:2022年11月20日

 トレンドといえばファッションを真っ先に思い浮かべる人は多いと思いますが、衣食住の中でも流行と遠い存在であるべきインテリアにも流行り廃りがあります。

 真っ白な空間に無垢の床材と使ったシンプルでモダンなインテリアこれまで多くの人に人気だったかも知れませんが、それも少しずつ変化の兆しが感じられるようになっています。


 一般的に人気のある白を基調にしたクールでミニマルな色のトーンに対して、海外のインテリアデザイナーたちはダーク系の濃い色に注目しているようです。また、壁紙の流行もこれまでの白無地一辺倒からアクセントカラーやウィリアムモリスのような絵柄ものを選ぶ人も増えています。

 白は心理学的に人に緊張やストレスを与えるのに対して、ブラウンは大地を連想させるため人に安心感を感じさせる色だそうです。


 US版『VOGUE』の2022年トレンド予測でもブラウン・グリーンといったアースカラーやウォールナットなど、自然をイメージさせるもの多く挙げられており、これまで人気だった白×オークといった明るいカラーの組み合わせにも変化が見られそうです。


 真っ白で洗練されたモダンなキッチンも冷たい印象を与えるということで廃れつつあり、代わりにヌードカラーやトープ(茶色がかった灰色)といった軽やかなニュートラルカラーが人気で、白ほど冷たい印象を与えることなく清潔感のある見た目に仕上がるとのこと。


 バック・スプラッシュなどに使われるタイルも同様で、これまで人気の白いサブウェイタイルから、カラフルな色や模様が入ったもの、六角形やヘキサゴンといった様々なバリエーションが求められるようになってきています。


 ファッションにおける70年代リバイバルのトレンドはインテリアにも広がりつつあり、ブラウンやグリーンといったアースカラーが壁やカーテン、ソファーなどあらゆる生地に使われ、それがベースカラーとなって原色やジュエルトーンといったポップな差し色を美しく引き立ててくれます。


 キッチンで見かけるオープンシェルフやアイランド型のキッチンも少しづつニーズが変わり始めていて、新しくてモノが少ないうちは良いのですが、だんだんとモノが増え、常に丸見えなだけにキレイな状態を保つことが手間で返ってストレスになることも。

 現在主流のフルオープンのアイランド型キッチンからセミクローズド・キッチンや扉で完全に隠せるタイプなど、こちらの方も以前のスタイルに戻りつつあるようです。


 全体的にはモダンでスタイリッシュなインテリアからアースカラーを中心にした温かみのあるインテリアへトレンドが移りつつあり、ミニマルで無機質になりすぎたインテリアが人々を疲れさせ、その揺り戻しから少しづつ自然な要素が求められるようになっているのだと思います。


 家具のテイストもこれまで長く続いたスタイリッシュでモダンな家具から一変、ヴィンテージやアンティークといった新品では出せない味のある家具を求める人が増えて始めています。


 希少なヴィンテージ家具を使ったハイエンドのインテリアは、ファッションデザイナーやモデルといった感度の高い海外のセレブリティたちに人気で、Pierre Jeanneret(ピエール・ジャンヌレ)の椅子はもはや定番といっても良いくらいによく見かけます。


 IKEAのような安いけど耐久性にかけるチープな家具を使い捨てするよりも、多少高価でも本物のヴィンテージ家具を使いたいと考えるのもサスティナブルという点では当然なのかも知れません。


 このようにインテリアにおいてもトレンドは存在し、ファッション同様に今は定番といわれるものでも流行と共にいずれ定番ではなくなるのです。


 まさに白い壁はファッションにおける白いシャツのようなもの。一見すると同じに見える白いシャツでも、流行によってディティールやシルエットは変化しているのです。白いシャツが流行ってみんなが着るようになると、天邪鬼なデザイナーたちはそれを否定するかごとく、それまでの白いシャツへのアンチテーゼを提案するのです。


 人は本来一人一人違うのが当たり前。個性的でありたいと思うのは自然なことだし、他人から認められたいと考えるのも当然です。ファッションもインテリアも自己表現の一種であり、自分らしく生きるための手段です。


 多くのトレンドが毎年のように生まれては消えていくのですが、トレンドは自分探しを手伝ってくれる指標であり、自分探しの旅のようなもの。その時々の中から自分にフィットするものだけを選択し、他人とは違う自分の個性を見出すことが大切だと思います。

photo by Danielle Bernstein for We Wore What

 

LIVING WITH LIGHTS | 美しい灯りと暮らす


IN THE LIGHT Lighting Design & Interiors

861-8001 熊本県熊本市北区武蔵ヶ丘1丁目15-16


Youtubeチャンネル ►► https://www.youtube.com/@inthelightinteriors/

閲覧数:228回

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page