皆さんが住まいに求めるものは何でしょう?
「快適な住空間を求める」というのは皆さん同じだと思いますが、その快適の具対的な定義は人それぞれ。居心地の良さであったり、機能や効率性を重要視される方も多くいらっしゃると思います。
機能や効率性は快適性に直結する必要不可欠な要素なので、皆さんあまり変わらない思いますが、居心地の良さの定義は千差万別。実はそこに個性が隠れているということです。
シンプルでモダンな家に住みたいという方や、豪華で煌びやかな住まいを好む方、はたまたヴィンテージ家具に囲まれた部屋など、趣味嗜好は様々です。しかし、実際には多くの方の住まいが、「単に生活をするだけの空間」になってはいないでしょうか。
私は仕事柄いろんな人のお宅へ伺いますが、こと日本においては似通ったインテリアのお宅が多いような印象があります。マンションや建売が画一的になりがちなのは仕方ない面もありますが、実際には注文住宅でも余程のこだわりがない限りは、建売とさほど大きくは変わらないのが現実。一般的に機能や効率を優先して考えると、建物の形は自ずと決まってきます。
私たちにとって「生涯で最も長い時間を過ごす空間」が住まいです。その大切な時間を過ごす空間が、機能や効率だけで終わってしまうのはあまりにも寂しいのではないでしょうか。
住まいでも機能や効率化はどんどん進みますが、『生産性の向上=幸せ』ではありません。家は住み始めてからが本番。「どんな家に住むか」ではなく、「どのような暮らしをするか」がもっとも重要で、それはその後の人生に大きな影響を与えることになります。
せっかくのマイホームなのに購入時のままだったり、人と同じではもったいないのではないでしょうか。
(後編へ続く...)
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